カレンディマッジョ(Calendimaggio)

アッシジのカレンディマッジョ
タベルナの様子。地元の人たちがのんびりと過ごしていました。

アッシジのカレンディマッジョ
夜の部の準備の様子。

アッシジのカレンディマッジョ
旗を掲げると皆大興奮。待ちに待った三日間の始まりです。

アッシジのカレンディマッジョ
槍と楯を持った兵士達。手前で誘導する女性の衣装も素敵でした。

アッシジのカレンディマッジョ
色とりどりの衣装に身を包んだ主役達。じっと祭りを見守ります。

アッシジのカレンディマッジョ
花のように軽やかなダンス。春の訪れを感じます。

アッシジのカレンディマッジョ
パンのなる木!?色とりどりの布はまるで日本の七夕みたいですね。

アッシジのカレンディマッジョ
ゆっくりと運ばれてきたポルケッタの屋台。首にかけた大きなパンも面白いです。

アッシジのカレンディマッジョ
こんなに華やかな衣装なのにしっくり似合ってしまうのがイタリア人。うらやましい…

アッシジのカレンディマッジョ
炎の剣を掲げた若者達。この直後、ちょっとしたアクシデントが…

アッシジのカレンディマッジョ
恰幅の良いおじさん達。聖職者か学者の衣装でしょうか?

アッシジのカレンディマッジョ
頭にかごをくくりつけた女性達。個性的です。

アッシジのカレンディマッジョ
布染めに精を出す、ちょっとクセのありそうなおじさん達。なんだか海賊っぽくも見えます。

アッシジのカレンディマッジョ
妖しげな雰囲気をかもしだしている夜のパレードの天使。個人的にすごく気に入りました。必見ですよ!

お勧め度:5つ星

毎年5月に開催される、アッシジで最大のお祭り。アッシジの住人たちはこの祭りのために一年間かけて準備をします。期間中、住民達は老若男女を問わず中世の衣装に身を包み、華麗なパレード、ショーが開催されます。夜のパレードの美しさには感動します。


アッシジを代表する歴史ある春の祭典

カレンディマッジョ(Calendimaggio)とは、5月の初めに行われる市民祭です。一日を意味する「calende」と、5月を意味する「maggio」が合わさった名前ですが、5月の最初の木曜から土曜の3日間にかけて開催されるため、日付は毎年変わりますのでご注意を。アッシジの祭りの中でも一番大規模で、アッシザーニ(アッシジの住民)たちはこの祭りのために一年間かけて準備をします。期間中、住民達は老若男女を問わず中世の衣装に身を包み、町中ですれ違う友人たちと披露しあう微笑ましい光景があちらこちらで見られます。56回目となる2009年の今年は7日から9日まで開催されました。

中世の昔、アッシジの町は対立する党によって上部(sopra)と下部(sotto)に二分されていました。春の再来にともなう休戦を両者ともに受け入れたのもつかの間、すぐに待ち伏せや陰謀によってその平和は裏切られる事になります。カレンディマッジョの歌や踊り、劇などはこの闘争をモチーフにしているのです。1926年ごろから、4月30日と5月1日の間の夜にマンドリンやギターを使った歌や演奏が大衆の前で行われるようになりました。第二次世界大戦や町内の紛争による中断を経て、1946年に再び春の祭りが行われるようになりますが、その内容はすでに近代化してしまっているものでした。しかし1952年には以前の風習を取り戻そうという熱心な努力が始まり、13世紀の衣装や音楽、町を二分した争いの再現など、現在のような祭りの形式に整えられたのです。上部はコムーネ広場からサンタキアラ聖堂側の南東、下部はコムーネ広場からサンフランチェスコ聖堂側の北西で、それぞれ青と赤がシンボルカラーとなっています。

四月末から見頃です!

開催の一週間前から町のあちらこちらでイベントが始まります。普段静かな町の雰囲気も少しずつざわつき始め、通りの家々には色とりどりの旗が掲げられます。この期間は主に夕方から夜にかけて催しがあり、たいていはサンタキアラ聖堂前かコムーネ広場で行わます。祭りをお目当てにやってくる観光客の姿もまだそれほど多くありませんし、何より券なしで祭りの雰囲気を充分味わう事ができますので、どうしても当日には行けないという方もどうか諦めないで下さいね。扮装した人物による寸劇や朗読、またパレオも披露され、初めて間近で見るその迫力に祭り本番への期待が高まりました。

この期間中は催しの最中でも周りを柵で覆われることなく、ショーというより大道芸といった感じ。あざやかな衣装の非日常と夕食の準備にと買い物を済ませる人々の日常とが混ざり合って不思議な気分でした。また昼間から夜にかけて何度か、十人位の青年達が通りを練り歩きながら太鼓のショーを披露してくれます。

4月の中頃から教会前の広場や門の近くで太鼓を練習する姿が良く見かけられ、時には夜の十一時過ぎまで太鼓の音が広場から離れた私の家までよく響いてくることもあったのですが、それもこのお祭りの為だったのか〜と納得。

そしてこの間に是非お勧めしたいのが期間限定のタベルナとポルケッタのお店。どちらも四月の末日ごろから利用する事が出来ます。祭り当日が近づくにつれて混んでくるだろう…と見込んで、私も早めに行ってきました。タベルナがあるのはコムーネ広場の右下。看板が出ているのですぐに分かります。予め注文を決めてからメニュー一覧の紙に希望の数とテーブルの番号を記入し、会計を済ませたら引換券代わりのレシートを受け取って、記入した番号のテーブルで待つというシステムでした。私が頼んだのはチンギアーレのパッパルデッレ(五ユーロ)と菓子パンのようなドルチェ(1.5ユーロ)。

洞窟のような店内で地元の人たちと一緒に幅広いテーブルを囲んで食べるという経験はなかなか貴重です。慣れない様子で注文を運ぶ地元っ子の姿に文化祭を思い出してしまいました。三日の昼過ぎに行ったのですがさほど混んではおらず、席にも充分余裕がありました。

ポルケッタの店があったのはサンフランチェスコ通り。売り子による愉快な呼び込みと、丸ごとの豚の姿にそそられます。こちらもタベルナ同様良心的な価格でイタリア名物を味わう事が出来ます。持ち運びにする人も多く、私も一緒に赤ワインをテイクアウトで頼んだところ、カップではなくわざわざ空いたペットボトルに入れてくれました。こじんまりとした店内には中世の甲冑がかざってあり、また小型スクリーンで歴代の祭りの様子を見ることも出来ました。

より賢くお祭りを楽しむために…

本番の3日間、広場には巨大な階段状の見物席が置かれ、この席からはショーの全体を見ることが出来ます。ただし予め券を購入しなければなりません。今年は3日間共通券で40ユーロとのことでした。ちょっと高いかもしれませんが、この券がないと夜の部の催しも見ることが出来ません。今年はコムーネ広場横のマッツィーニ通りに仮設券売所が出ていて、数日前には全て売り切れとの貼り紙が貼られていました。

昼過ぎの2時半ごろから交通規制が始まり、コムーネ広場へ続く通りは広場手前で通行止めになってしまいます。どこへいくにもだいたい広場を通ることになるので、これはちょっと不便。初めて来たと思われる旅行者の人たちも少し戸惑い気味でしたが、地元の人たちと一緒に係員に通してもらったりしていました。とにかく入場券を持っていないと町中の移動もままならなくなります。必要な場合は午前中に散策や買い物を済ませておきましょう。

広場周辺はかなりの熱気になりますので飲み水を購入しておくと良いです。町のあちこちにミニマーケットがあります。夜の六時半ごろに昼の部は終了し、交通規制も解かれます。それと同時にみな一斉に食事に向かうので、レストランで食事をしたい場合は予約をしておくと安心です。予約が出来ずとも、散策の合間におおまかな目星をつけて位置を押さえておくだけでもいいと思います。全てのレストランを見て回ったわけではないのですが、美味しくて良心的なお店は大体どこも込み合っていました。

プログラムはコムーネ広場にあるインフォメーションセンターにありますので予めもらっておくと良いでしょう。催しの最中はインフォメーションセンターも閉まってしまうので要注意です。またこの時期はアッシジにあるホテルの値段も割高になるようですので、早めの予約は不可欠でしょう。ふもとのサンタ・マリア・デリ・アンジェリの駅周辺にもホテルはありますが、折角ならやはりアッシジ中心街のホテルをおすすめしたいです。中心街と鉄道駅を結ぶバスは夜九時を過ぎるとほとんどなくなるので、ホテルに帰るとなると夜の部が見れなくなってしまうからです。

ちなみにこのバスはフランチェスコ聖堂下のサンピエトロ広場やサンルフィーノ教会近くのマッテオッティ広場から乗ることが出来ます。約30分間隔の運行で、10分ほどで駅に着きます。朝は五時半頃から、夜の最終便は十時半頃、料金は0.9ユーロ(2009年6月現在)。鉄道駅やタバッキで購入できます。

待ちに待った祭り初日

祭り初日の午後3時、鐘の響きとともにいよいよメインイベントがスタートしました。粗末な身なりをした詩人の朗読によって祭りの開始が知らされると皆いっせいにわっと盛り上がりました。この日が一番もりだくさんな内容で、パレード、パリオ、石弓のコンテストなど、どれも見物者の目を楽しませてくれるものばかりでした。

九時半からの夜の部は「Rievocazione di vita medievale」と言って、中世の衣装に身を包んだ人たちが昔の道具(山車など)を使って日常生活を再現する催しが行われます。道の端にろうそくが置かれ、軒先に布が垂れ下げられると、石造りの路地はたちまち中世へとタイムスリップ。古い町並みをよく残しているイタリア、アッシジだからこそのイベントですね。

初日のこの日はsopraの番。この催しも上部と下部に分かれてどちらがより美しく再現できたかを競い合います。残念ながらこちらも入場券がないと見ることはできませんが、そんな人の為ににコムーネ広場の見物席が開放され、設置された巨大スクリーンでその日の昼の部の様子と夜の部の中継、また祭りの準備の様子などを見ることができました。祭りの期間中は夜遅くなっても人並みが絶えず、いつもよりずっとにぎやかな様子でした。

近郊の町から車でやってくる人も少なくありません。毎年この時期にここに住む友達を訪ねに来ると言う人もいました。広場とその近くにはバールやカフェがいっぱいありますので、どうぞ飲み物を片手に一年に一度の夜の雰囲気も味わってください。普段なら閉まっているはずの時間になっても若者で一杯になっているワインバーも見かけました。

アッシジの底力、パレードは一段と華やかに

2日目は3時半からのスタートで、弓や綱引きや木のそりによる競争に加え、その年の「春のマドンナ」を選ぶコンテストもありました。弓の競争では選手一人一人の真剣なまなざしがとても素敵でした。夜のスクリーンのビデオではアップで見れますよ!綱引きと木ぞりの競争は公平を期すために念入りな準備が行われます。どちらも一回勝負で、一瞬で勝敗が着いてしまいますのでお見逃しなく。

しかし何と言っても最大の見所はパレードでしょう。心なしか昨日より気合が入っているように感じられました。赤、群青、緑とそれぞれの色で統一された衣装に身を包んだ家族(手を引かれて歩く子供の可愛いこと!)、甲冑をまとった兵士、パステルカラーの衣装で踊る女性達、塔型のモニュメントを担ぐ若者達、太鼓の行進など次から次へと目まぐるしく変わっていくので、瞬きする暇もないほどでした。シャッターチャンスを逃さないで下さいね。間近に見るこの感動はとにかく実際に行かないと味わえません。それにしてもイタリア人の芸術センス、色彩感覚は本当に心憎いばかりです。

行進し終わった出演者達はそのまま舞台横で待機しているのですが、その様子を眺めるのも面白いです。特に子供達はすぐ退屈してしまうようで、中にはつい寝てしまう子も…パレードの合間に、舞台端にも目を向けてみてください。

この日の夜の部はsottoの番で、サンフランチェスコ通りも聖堂手前でシャットダウンされてしまいます。たくさんのろうそくで神秘的にライトアップされた聖堂はいつもと違って見えました。

興奮は最高潮へ、ラストを飾るナイトパレードとカウントダウン

いよいよ最終日の3日目。昨日と同じく3時半から始まりました。この日のパレードは今までとは違い、sopraとsottoが競い合うためのもので、左右それぞれの通りから広場へ入場します。馬やロバといった動物も行進に参加します。手織り機や布染めの再現、パンや布切れをくくりつけたオリーブの木、ポルケッタの屋台など昔からなじみのある道具や食べ物を使っているのが印象的でした。これらは昔から人々にとっての生活、そして生命そのものだったのでしょう。

女性達が踊りながら糸を編み上げていくのは見事の一言でした。こんなにも布に関するモチーフが多用されるのは、もしかしたらフランチェスコの家が織物商だったことに関係しているのかもしれませんね。

他に目を引かれたのが炎の剣を持った兵士達。どうにも煙の量が多いなと思っていたところ、行進が終わると同時になんと火がついたままの剣を地面へ投げ捨て始めたのです!もうもうと湧き上がる黒煙に何事かと騒ぐ人たち。待機していた消防士がすぐに消したので大事には至りませんでしたが、こんなちょっとしたハプニングにもイタリアらしさを感じてしまいます。

パレードが終わりに近づき、賑やかな歌とともに旗を持った若者が広場を走り回ると人々は大興奮。歌いながら手をたたく人、見物席の最上でハンカチを振り回す人など、思い思いに盛り上がっていました。隣で見物していたシニョーラの「あれが私の息子よ!」と指差す誇らしげな姿、行進中の友人への熱烈なコールに、市民のためのお祭りである事をあらためて実感しました。マッツィーニ通りからサンタキアラ聖堂前の広場までの行進によって昼の部は締めくくられました。

夜9時半からはコーラスが始まり、続いて夜のパレードが始まりました。火に照らされて闇にぼおっと浮かび上がる天使のモニュメントはちょっと怖い感じもしました。昼とは違った幻想的な雰囲気に、日中と変わらないほど大勢の人が集まっていました。実はこの時、三日間のお祭り騒ぎにかなり疲れていたのですが、パレードの美しさに疲れを忘れていつのまにか見入っていました。昼の部のパレードとは本当に印象が違いますので、もういいや…とホテルで寝てしまったりせず、是非最後まで見届けて欲しいと思います。

11時半過ぎにパレードが終了してもあまり人が減る気配がないのでまだ何かあるのかな?と期待していたところ、広場の塔の時計にスポットライトが。最後の最後、ここまで来たらカウントダウンも見届けようという若者達の熱気は日付が変わるとさらにテンションを増し、結局朝方まで続いていました。

祭りを終えて…

祭りが明けた翌日の朝9時過ぎ、広場にあったのはごみと清掃係の姿だけ(バールは開いていましたが…)。まさに祭りの後といったところでした。きっと誰かのいたずらでしょう、噴水のライオン像までワインの空き瓶を持たされていました。そしてサンパオロ通りにはパレードで使われたモニュメントがそのままおきざりに…。

地元の人いわく、一年かけて準備した祭りの後は皆疲れきっているから、一ヶ月くらいはこのまま放置されるだろうとのこと。その言葉どおり、撤去されたのは5月の末でした。長い時間をかけて作ったものをこうしてほおっておくのはちょっと勿体無い気もしますね。

ちなみに今年はsottoの勝利に終わりました。数週間後にはフォルティーニ通りに長細いテーブルが設置され、勝利を祝う人たちが食事を楽しんでいました。

アッシジは殉教者の町としての普段の静かな姿も魅力的ですが、賑やかで華やかな別の顔もあるということをもっと多くの人に知って欲しいです。町並みと祭りとがこれほど見事に溶け込んでいるところは、日本ではなかなかないと思います。この三日間で何より強く感じたのは、アッシジの人が自分達の文化、風習を大切にしているという事です。

イタリアには数多のお祭りがありますが、長い時間ゆっくりと楽しめて、中世を忠実に再現しつつこれほど開放的なムードを持つものは意外と少ないのではないでしょうか。アッシジに足を運ぶなら、ぜひ一度はこの期間に訪れてみて下さい。

【元アッシジ在住・田中 慧】スタッフスタッフ一覧を見る


イベント名 カレンディマッジョ(Calendimaggio)
開催日 5月の最初の木曜から土曜の3日間
2011年は5月5日から5月7日まで
問い合わせ先 Palazzo dei priori - Piazza del Comune, 11 - 06081 Assisi - Italy
電話番号 +39 075 816868
メールアドレス entecalendimaggiodiassisi@libero.it
公式サイト http://www.calendimaggiodiassisi.it/


Copyright© 2005-2017 AmoItalia.com All Rights Reserved. アーモイタリア旅行ガイド
本サイト内の掲載内容、リンク先で生じたいかなるトラブル、損害、損失、不利益に対して当サイトは一切の責任を負いません。
プライバシーポリシー collaborated with BELGIAPPONE.COM